こすなの読んだもの

読んだ本の備忘録

『乱れからくり』泡坂妻夫

 

 

あらすじ:ボクサーの夢を諦め職を探していた敏夫は、宇内舞子という女性のもとで探偵の真似事のような仕事をすることになる。記念すべき初仕事はおもちゃ会社の社長・馬割朋浩からの依頼で、妻・真棹の素行調査をしてほしいというものだった。

調査の末、真棹が朋浩のいとこ・宗児と関係を持っていると突き止めた敏夫。しかし尾行中に馬割夫妻が乗った車が隕石に直撃され、朋浩が帰らぬ人となってしまう。これをきっかけに敏夫は真棹に接近するが、次々と不可解な殺人事件が起きていき……

 

 

 

 

 

 

名作だけあって面白かった!おもちゃに関する雑学が散りばめられていて読んでて楽しかったです。こういう物語に関係ない知識は鬱陶しいと思う人も多そうですが。

トリックは全く見抜けませんでしたね。『乱れからくり』というタイトルが秀逸すぎる……涸れ井戸がカレイドスコープなのは瞬時に分かったんですがそれ以外はさっぱりでした。

 

たぶん誰にも共感してもらえないと思うんですけど、迷路の中で宗児が真棹にやったことに死ぬほど興奮しました。「迷路から出たいなら僕と関係を持つしかないよ?どうする?(意訳)」とか……こういう乙ゲーやりたい……(?)

 

てっきり宇内舞子シリーズがあると思ってたよ!これ1冊のみの登場にするには惜しいくらい良いキャラしてると思います。泡坂妻夫は亜愛一郎が最強だと思ってるんですがこれもなかなかでした。