こすなの読んだもの

読んだ本の備忘録

『銀齢の果て』筒井康隆

 

 

あらすじ:老人人口が爆発的に増えた日本で、人口調節を目的とした『老人相互処刑制度(シルバー・バトル)』が導入される。宣告を受けた町に住む70代以上の人間は最後の1人になるまで殺し合わなければならず、期日を過ぎても複数生き残っていた場合は皆殺しにされてしまうのだ。

そして今回、隠居老人・宇谷九一郎もシルバーバトルへの参加を命じられる。強力な助っ人と銃を手に入れた九一郎だが、果たして彼は生き残ることが出来るのか?

 

 

 

 

 

 

 

一言で言うならお年寄り版バトロワ。これが書かれた当時はバトロワが大流行してたらしいですし完全に狙ってますよね。自身が70代になってからこれを書いた筒井康隆もすごい。

シルバーバトルの目的を考えればまあ当たり前なんですけど、勝ち残っても賞金や報酬の類がなにひとつ手に入らないのがやるせない。メリットがあるならまだやる気も出るってもんですけど……

ラストも何とも言えない。九一郎の気持ちを思うとただただ虚しかった。

 

デスゲームものの例に漏れずみんなキャラが立ってていいですよね!孫を犠牲にして生き残ろうとする夫を射殺した奥さんが好きです。あと執事さん。萌えを感じる。

そこらへんあんまり詳しくないんですが70代でも勃起ってするんですね……色仕掛けに引っかかって死ぬキャラがいるあたりは正統派バトロワ(?)っぽい。

入れ歯を取ったフェラってやっぱり気持ちいいんだろうか……

 

 

全力で"不謹慎"を突き詰めてて面白かったです。私はまだ10代で恐らくこれから数十年先も生きているのでしょうが、ラストの台詞に胸を突かれたようでした。私もいつかこんな気持ちになる日が来るのかな。