あらすじ:裕福な青年・アンズウェルは、メアリーという女性と愛し合っていた。結婚の許しを得るため彼女の父とふたりきりで話し合うことになったアンズウェルだが、彼に勧められるまま飲み物を口にしたところ気を失ってしまい、目を覚ますとなんと目の前に将来の義父の死体が転がっていた!
ロンドン中央刑事裁判所で殺人の容疑に問われるアンズウェル。現場が密室だったこともあり、誰もが彼の有罪を信じて疑わない。そこで被告人側の弁護士・メリヴェール卿が立ち上がる。
かの有名なディクスンカーの作品ですね。トリック自体は正直「ああそんなものか」と思うんですが、そこに至るまでの魅せ方が本当に素晴らしい……
この前クリアした大逆転裁判を思い出しました。あれも舞台オールドベイリーだしね。
基本的に裁判シーンが大部分を占めていて証人と判事や弁護士たちの舌戦で真実が明らかになっていくので、まるで自分も傍聴人のひとりになっているかのような感覚を味わえます。プロローグが『起こったかもしれないこと』、本文が『起こったらしいこと』、エピローグが『ほんとうに起こったこと』って章題なのが良い。
これもわりとさくさく読めたな〜!読みやすかった!メリヴェールがかっこいいです。私は全然真相が予想できなかったんですけどそれでもメリヴェールなら何とかしてくれそうだという謎の信頼感がありました。
ガラスのドアの失言のくだりは自分も覚えてたのでめちゃくちゃ興奮しました。こういう本人が気づいてない失言とか矛盾を指摘するシーンいいよね……脳汁出るよね……