あらすじ:イギリスの名門パブリックスクールに通う14歳の少年・ジョナサン。気弱な性格が災いしていじめっ子や教師にいびられる毎日を送っていたが、それでも親友ニコラスに支えられて何とか日々を乗り越えていた。
しかしある日、ひょんなことからクラスの一匹狼・リチャードと親密になる。眉目秀麗、頭脳明晰、誰とも関わろうとせずいじめっ子からも一目置かれる彼と仲良くなれたことに舞い上がるジョナサン。ところが2人の仲が深まるにつれ、いじめっ子グループや2人を邪魔しようとする人物に災いが訪れるようになり……
ネタバレ且つ腐発言しかないので注意
「ぼくにとってこの世で大切な人はきみだけなんだ 。きみに手出しをしようなんてやつは、誰もいないさ。そんなことをしようとするやつは誰だって、このぼくが殺してやるからな。」
Twitterで「全腐女子読め」と推されていたのを見て興味が湧きました。読み終わった今なら言えます、全腐女子読め。
ずるい、ずるいです。こんなん好きになるに決まってます……今まで読んできた一般小説の中でトップレベルに萌えました。「怒り」もやばかったけどあれ以上かもしれない。ヤンデレは最高……
ジョナサンとリチャードは言わずもがなですが、ジョナサンとニコラスとか双子とかスチュアート先生とポールとか魅力的なカップリングが多数出てくるんですよね。パブリックスクールものってあんまり読んだことないんですがすごく良かった。
特にジョナサンとニコラスはね……学生なら誰しも「自分の親友が他の人と仲良くしててムッとする」って経験したことあるんじゃないでしょうか。一種の同性愛的な感情なのかもわかりませんが、このニコラスの嫉妬にはかなり共感しました。パブリックスクールという閉鎖的な世界で生きてるなら尚更。
ジェームズがジョナサンをいじめる理由も良かった。自分もリチャードを仲間に引き入れたくて勧誘してるのに歯牙にも掛けてもらえなくて、でもなぜか自分より弱いジョナサンが気に入られてしまったと。それがムカつくと。うーん好きだ……マルフォイがロンをdisりまくってるのと同じような理由ですよね。
関係ないんですけどジョナサンがおしっこかけられるシーン大興奮でした。わあい小スカ!こすな小スカ大好き!
君は誰推し?ぼくはリチャード・レドモンドくん!
超絶美少年で教師を口で言い任せるほど頭が良くて束縛癖があり過去に闇を抱えている……こんなん私が推さないわけがない。
世界のすべてを疎んでいるような瞳をしているのにジョナサンに向けるときだけは違うんですよね。あの日あの時あの場所でラテン語の手助けをしなければ2人は真の意味で出会わないままだった。まあ『出会ってはいけない2人』だったわけですが……
もしニコラスの体調が良かったら。教科書を間違えなければ。リチャードが気まぐれを起こさなければ。IFを挙げればきりがなく、出会ってしまったのは運命だったとしか言いようがない。
リチャードは母親に対して「自分より弱い存在を守ることでその人に自分へと依存させる」ことをしていたわけで、でもその母親は最後にはリチャードの世界から抜け出してしまったわけで。だからジョナサンが自分から逃げようとすることにあんなに敏感だったんだろうなと思います。ジョナサンはリチャードにとっての第二の母親だったと……
共依存サイコ〜〜〜!!!!
腐女子の妄言なのでスルーしてほしいんですけど公衆の面前でいちゃつきすぎだろこいつら。肩抱いたり腕枕したりさあ!前半のリチャードがスパダリすぎてスタンディングオベーションだよ。
個人的に好きなのは、リチャードから独占欲のこもった視線を向けられたときのこの一文。
その強烈な視線にジョナサンは戦慄をおぼえたが、同時に興奮もした。
バカーーーー!!!!好きーーーーー!!!!!!(語彙力の死)
ここらへんが萌えのピークだったなあ。後半はどんどん辛い展開になっていくので……
あとはジョナサンが持ってるお父さんの時計をリチャードが嫉妬から破壊するシーンも好きです。ヤンホモ最高と言いたいところですがリチャードはその一言じゃ言い表せない気がする……うーん難しい。
誰ともつるまなくても平気な孤高の美少年だったのに、いざ隣に寄り添ってくれる相手ができたら執着全開になっちゃうっていうのがね。人間らしくて好きです。
推しが死ぬことに定評のある腐女子なのでリチャードも死ぬんだろうなあと思ってましたがまあ案の定でしたね。私が好きになったキャラは死ぬ運命。
個人的な好みとしては絞殺じゃなくて刺殺とか撲殺が良かったなーって……やっぱり死体って血で彩られてた方が映えますし。せっかく美少年なのに目玉と舌が飛び出た死に顔とかもったいないなあと(人の死にケチを付けるな)
いや首絞めシチュは興奮するんですけど!未遂がよかった!
双子の別れはオタク的に満点でした。双子じゃないからわからないんですけど、生まれたその日からずっと一緒に生きてきた自分の分身を失うってどんな気持ちなんでしょう……
スティーブが駆けつけるのが間に合い落ちてきたマイケルを抱きとめる展開だと思い込んでたんですが、まあそうは問屋が卸さないですよね。悲しい。
オチも面白かったなあ。ジョナサンとリチャードの物語にのめり込みすぎていて、これが全て回想であることをすっかり忘れてました。
「霊応ゲームはどんなものなのか」「何を呼び寄せるのか」といったことが具体的には何ひとつ明かされないのが恐ろしい……リチャードを殺した"物"は一体何だったのか。リチャードが見たのは何だったのか。
校長夫婦以外のメインキャラ全員がバッドエンド迎えてるのすげえよ。双子のご両親とか可哀想だよなあ〜〜……
BL小説としてはもちろん最高ですが、普通の読み物としてもめちゃくちゃ面白かったです。分厚いのもまた良い。
これはしばらく引きずってしまいそうだ……リチャジョナ幸せになってほしい……